星降る夜に
三度、君の復活を願うが蘇る気配はない。今夜は流星群が訪れている。まだチャンスはあるだろう。人の死により星が流れるというのなら、今宵、どれだけの人が死んだのか。僕は明るくなってきた空に、願うことをやめた。「どうしてやめるの」背後から聞こえたのは君の声だ。振り返ることはできなかった。
どうしてそれを君の声だと思ったのか。老人のような、おぼれているような、泡を吹くような、その声は死人のそれだ。「もっと願いましょうよ」と僕の耳元で囁く。「あなたが願うのをやめたら生き返れないわ。これは戦争なの。最後まで願ってもらえた人が、生き返ることができる」だから、と君は続ける。
「わたしのことは忘れていいわ。誰かを殺してまで生き返りたくないし。願ってくれて、ありがとう」と。どうしてかその声だけは生前のそれで、僕は思わず振り返ってしまうのだけど、もちろんそこに君の姿はない。ふと、鼻をつく匂いがあった。鉄さびのような、血のような。それはきっと星の匂いだった。
確かに君は蘇ったんだ。願い事の戦争の中で。それがたとえわずかな、星の瞬きにも似た、かすかな時間だったとしても。僕のそばに。