君はポケットに残ってしまうような些細な燃えるごみを植え込みに捨てる人だった。僕は両親からそういう教育を受けていなかったので驚いたけれど、「土に返るなら燃やすよりいいんじゃないかしら」という言葉にあっさりと言いくるめられた。なるほど、たしかに無駄に燃やすよりもエコなのかもしれない。
君とは別れてしまったが、あの頃と同じ部屋にまだ住んでいる。君の持ち物はすべてベランダのプランターに埋めた。燃えるものも、燃えないものも。久しぶりに確認してみたらそこから芽が出ていた。鳥が何か運んできたのかと思っていたが、しばらくするとホワイトロリータの実がなった。君の好きだった。