2015-10-28 譲ってあげる 創作 霜柱を踏みながら小学校に通うのが好きなのだけど、最近は先客に踏みにじられた跡だ。犯人は知ってるんだ。バス停に立っていたお姉さんだ。白い靴がふやけて、土汚れがにじんでいた。僕は知ってるんだ。あの人が泣きそうになりながら、霜柱を踏んでることを。大人でもつらいことが、きっとあることを。